相続税の障害者控除を受けられる要件と計算方法
相続税には、一定の事情を持つ相続人の負担を軽くするための税額控除がいくつか設けられています。
そのひとつが、障害があるひとが相続人となった場合に相続税を軽減する障害者控除です。
本記事では、障害者控除を受けられる要件とその計算方法について解説します。
障害者控除を受けられる要件
障害者控除を受けるためには、以下の要件を満たす必要があります。
- 法定相続人であり、相続や遺贈により財産を取得していること
- 相続開始時で、障害者であること
- 日本国内に住所があること
法定相続人であり、かつ実際に財産を受け取っていることが前提となります。
ここでいう障害者とは、税法上の一般障害者または特別障害者に該当するひとを指します。
身体障害者手帳や療育手帳などの交付を受けていると一般障害者に該当し、そのうち障害の程度が重度と判定されたひとは特別障害者に該当することとされています。
障害者控除の計算方法
障害者控除の金額は、次のように計算します。
■一般障害者:控除額10万円×(85歳-相続開始時の障害者の年齢)
■特別障害者:控除額20万円×(85歳-相続開始時の障害者の年齢)
相続開始時の障害者の年齢は、月齢も計算に含めます。
たとえば、一般障害者が30歳8か月であった場合は以下の計算式となります。
■10万円×(85歳-30歳8か月)=10万円×54歳4か月
このように年齢を計算した結果1年未満の端数がある場合は、切り上げて1年とし納税者有利にします。
よって、最終的な計算式は次のようになります。
■10万円×55歳=550万円
計算式からわかる通り、85歳以上のひとは障害者控除の計算をすると0円となるため控除することができません。
計算式によって求めた金額を、相続人が支払う相続税額から差し引くことができます。
そして、障害者控除額が相続税額を上回った場合は、上回った分をその障害者の扶養義務者の相続税額から控除します。
扶養義務者とは実際扶養しているかは関係なく、配偶者や直系血族、兄弟姉妹などを指します。
障害者本人だけなく、ほかの相続人の税額控除が可能となるケースもあるので、扶養義務者に該当するかどうかは慎重に検討する必要があります。
まとめ
障害者控除は、障害を持つ相続人の生活を支える大切な制度です。
適用できるかどうかは、法定相続人であることや障害の程度と年齢がポイントになります。
正しく控除を受けるために、障害者手帳のコピーなど証明書類をしっかりと準備し計算方法を理解しておくことが大切です。
障害者控除について不安がある場合は、一度税理士に相談することを検討してみてください。
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資格者紹介

高橋 慶親Yoshichika Takahashi
先を見据えた相続税対策で、「いま何をすべきか」を適切にアドバイスをいたします。
明るい未来のために、まずは当事務所へご相談ください。
- 所属等
-
- 日本公認会計士協会 (18738)
- 東京税理士会(137152)
- 基礎クラス+α会社法(2010年11月、法律文化社、共著)
- 経歴
-
- 昭和52年5月:三重県亀山市生まれ、滋賀県大津市育ち
- 平成8年3月:私立洛星高等学校 卒業
- 平成12年10月:公認会計士第2次試験 合格
- 平成13年3月:立命館大学法学部法学科 卒業
- 平成16年3月:公認会計士第3次試験 合格
- 平成16年4月:公認会計士登録(日本公認会計士協会第18738号)
- 平成28年1月:高橋公認会計士・税理士事務所を開設
- 平成29年12月:税理士登録(日本税理士会連合会第137152号)
- 公認会計士第2次試験を大学在学中に合格。合格と同時に大手監査法人に入所し、5年間の監査経験を積む。その後、BIG4系コンサルティングファームや事業会社等を渡り歩き、主に再生業務(M&Aや管理部門の立て直し等)を10年以上経験。
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名称 | 高橋公認会計士・税理士事務所 |
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資格者氏名 | 高橋 慶親(たかはし よしちか) |
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